「看取りに関わる全ての人へ」という題で、エンドオブライフ・ケア協会理事長である
小澤竹俊先生の講演会に行ってきました。
阿倍野区民センターは、300名の超満員で、看護師の方々、および関係者の方たちの熱気であふれていました。
小澤先生の講演会は、ミュージックビデオや音楽の歌詞、ドラマの一部を抜粋し、映像でながしながら
とてもわかりやすい導入で、ともすれば看取りという固い学問から、親しみやすく身近に死を考え
気づいていく、共感し、感じ取り、そして一緒に考えていきいましょうというスタンスの講演で
とても感動しました。
そして、その中で、「なぜ、間もなくお迎えが来るとわかっている人に、時間とエネルギーを費やす
のですか?」と問われた時に、ターミナルケアにかかわっている私たちは、どう答えますか、と言われ
それに答えられない自分がいました。
どれほど心を込めて関わったとしても、日に日に弱っていきます。どれほど美味しく食事を用意して
も、ほとんど口にすることができないことがあります。
それでも、誠実に向き合い続けるのは、なぜですか。
その時、人はただ苦しむだけではありません。苦しむ前には気づかなかった大切な何かを学びます。
そばにいてくれるだけで家族が温かいこと。何気ない友人の一言がうれしかったり、今まで見過ごして
道に咲いている花々に心打たれたりします。
それは、それまで人に迷惑をかけるならば早くお迎えが来ないかと嘆いていた人が、生きていてよかったと思える瞬間だということ。
死ぬ瞬間まで、人は愛に触れ、成長続けるということ。この最大の瞬間に立ち会い、そして気づかせられ、共に成長していく。
この気づきと成長という観点から看取りをとらえるということは、とても素晴らしく、大いなる気づきをいただきした。
また、支える方の看護師のみなさんが、実は一番支えてほしい存在であるということも、気づかさせていただきました。
ターミナルケアを支える看護師さんを、いかにして支えていってあげるか、私自身も深く考えさせられました。
そして、死ぬ瞬間にも人は成長を続けます。死後もそれは続いていくのでしょうね。
心の医療とは、まさにエンドオブライフ・ケアに、その真の意味を問われるのだと思いました。
訪問看護ステーションのあが、まさに目指している心のケア、それは、愛に触れ、共に成長し、感動を
共有するということです。これからも、利用者さんに生きていて良かったと思えるケアを目指します。