5月8日以降、コロナは5類に移行し、日本もアフターコロナに変りました。
外に出てみると、町中は、大勢の人で溢れ、コロナ前の賑わいが戻ってきていますが、
学校や会社はリモートが日常化し、マスクもまだまだ外せない人が多いようです。
この3年間で、私たちのコミュニケーションの形は、大きく変りました。
そんな中、今、若い世代を中心に「心の異変」が広がっているといいます。
やっと自由に人と会うことができる。人と話しても誰にも文句を言われることも
なく、冷たい視線を浴びせられるいこともない。
にもかかわらず、「人と接するのが怖い」「対面で会うのがストレスになる」という対人恐怖
を感じる人が増えてきているのです。
もともと人付き合いが苦手であったわけではなかったのにも関わらず、なぜか人との繋がりに
不安や戸惑いを感じてしまうようになった学生さんたち。
3年間の隔離生活、いわゆる誰とも話す機会がなくなってしまうことで、社会性に関する脳や
心の働きが阻害されてしまったことが要因のようでした。
驚いたのは、対面会話で人は会話を通じて、どのように脳が反応するかとういう実験をしまし
たら、リモートで会話しても脳が刺激を受けず、会わない状態と同じ脳波
をしていたということです。リモートでは感情の共有ができず、単なる情報の交換だけ。
人と直接会って話すことでしか、コミュニケーションを司る前頭前野が動かないことは驚きで
した。後、何かを求める「中脳」も反応しなくなってしまうのですね。
コロナ禍でリモートで飲み会をやっても、今ひとつ楽しくなかったのは、そういう理由があっ
からなんですね。感情が共有されていなかった。
自分の気持ち感情を相手に伝えるトレーニングSELというグループの活動が紹介されていて、
そこでは、楽しかったことや、嫌だったことなど感情のコミュニケーションを繰り返すことで
不安なく話せる関係が築いています。そこの生徒さんたちは、「人と話すことが怖くなくなり
ました」とうれしそうに話していたのが印象的でした。
コロナ禍で生み出された心の異変。
人と会って話すことでしか、解決出来ない問題です。
利用者さんの場合、コロナ禍でなくて孤立して、なかなか話す機会がないことも多いです。
積極的に、心の対話が不安なく話せるように、聞く力というものに、もっと磨いていく必要
があるなあと、今回のアフターコロナでの心の異変について問題で、
いろいろ考えさせられました。