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2017年08月23日

ゴミ屋敷の問題

最近、ゴミ屋敷を掃除するというテレビ番組が増えています。
視聴者から、身内のゴミ屋敷化に悩み、テレビ番組に相談して、テレビ側もそれに答えて
なぜゴミ屋敷になってしまったのかという原因と、それをきれいに片づけて、ビフォー、
アフターの違いを見せて感動させ、また視聴者に訴えるという趣旨の番組です。
この間見た番組は、92歳の高齢の母とその三男が介護しながら、気が付けば、人が住めないぐらい
にゴミ屋敷化してしまったという、今にありがちな切実な問題の番組がありました。この高齢化によ
るゴミ屋敷化は、だんだんと身体が動かなくなっていく過程で、物を捨てたり、掃除ができなくなり、
ゴミ屋敷化していくという、まさにこれからますます増えていくだろう問題を秘めていました。
我々の訪問看護を利用されている利用者さんも、一人暮らしのご高齢の利用者さんが多いので、まだ
ゴミ屋敷化した家に訪問するという体験はありませんが、これから十分ありえることだと思われます。
ゴミ屋敷の問題は、個人の権利の中に入ってくるので、他者は介入できず、そのままということになり
がちです。テレビ番組では、無料で片付けをしてくれるわけですが、実際に業者さんに依頼すると、
何十万もかかるみたいで、そうすると自分で片づけなくてはならなくなりますが、自覚がなかったりとか、
また身体がいうことをきかなくなったりとか、認知症などの症状により片づける意志そのものなくなった
りとかで、どうしてもゴミ屋敷化してくるのが実情のようです。
私の母の場合も、近くに住む兄の話では、やはりかなりゴミ屋敷化してきていたことが言われ電話で話し
ているだけでは分からないことでしたので、介護の問題も含めて、解決しなければならない身近な問題と
なってきています。
地域医療の中で、ゴミ屋敷の問題も医療、特に訪問看護では切実な問題であり、行政に任せるのではなく、
今からしっかりと高齢者の方々を支えるボランティアの方々と共に、考える必要があると、番組を見なが
らそう思いました。