在宅看護は病院で行なわれている医療看護と大きく違います。
今回は、このテーマに添って、私たち訪問看護の役割を書いてみようと思います。
まず、在宅看護とは、ざっくり言って、自宅で療養する方に行なう看護のことです。
この在宅看護では、特徴が5つあります。
一つ目は、それは治療中心の看護ではなく、生活中心の看護ということです。
在宅では、利用者さまと家族が中心となり、「こうしたい」「こう過ごしたい」という希望や自由を踏まえて、
看護を考えることがとても重要になってきます。
二つ目は、利用者さまにとって、精神的メリットが大きいのも特徴となります。住み慣れた自宅で、日々の日常生活が送れます。
そこには、日々の生活の匂い、風景、音があります。愛するペットとも暮らせます。このように、とてもリラックスして、
精神的なメリットはとても大きいです。
三つ目は、対象者がとても幅広いです。在宅看護では、ゼロ歳の赤ちゃんから100才以上の高齢者の方まで、
病気や障害を抱えるすべての方達が対象となります。
四つ目は、利用者さまと家族が主体となります。病院や施設では、治療という目的や集団生活の中で、決められたルールの中で、
治療が行なわれますが、在宅看護で利用者さまの「こうしたい」「こう過ごしたい」という思いが主体となります。
そして、利用者さまやご家族の思いや希望がルールとなります。そこでは、医者や看護師は、サポートの立場にまわり、
主体はあくまで利用者さまとご家族になります。
五つ目は、在宅看護を支えるケアシステムが整備されていることも大事な特徴となります。訪問治療、訪問看護、訪問介護、
訪問入浴介護、デイサービスなど、様々なケアシステムがあります。私たち訪問看護師も、在宅看護のサポートメンバーの一員として、
在宅看護を支えます。
このように在宅看護で大切なものは、利用者さまやご家族の気持ちです。これまで歩んできた人生、価値観、置かれている状況を
しっかり理解した上で、医療者としての視点を持ちつつ、利用者さまやご家族の気持ちに寄り添った関わりをすることが、
私たち訪問看護師の使命と役割になります。
ざっと訪問看護と医療看護の違いを述べさせていただきました。
ぜひ、みなさまの在宅看護として、「訪問看護ステーションのあ」に、これからもお手伝いさせてくださいね。
訪問看護ステーションのあは、これからも利用者さまに共に寄り添い、心の看護を提供させていただきます。