脳梗塞で左半身が麻痺し、老人ホームに入った方がいました。
その方は、掃除、洗濯、ごはんの支度など、何もしない生活が16年以上続いています。
家族も毎週きてくれて、施設の方々も優しいし、本人も「感謝せねば」と思うのですが、何か物足りなさ
を感じています。
杖を使えば歩くこともできるらしいのですが、周りの方たちは、転んでけがでもされたら大変だということで
歩かせてくれないみたいです。車いすで外出しようにもなかなか頼める人がいないようで、仕方なく一日中テレビを見て
過ごす毎日に、嫌気がさしているようです。
何もさせないことが本人の幸せに繋がるかというと、そんなことはないわけで、試しに一日中、お金を払うから動物園の
檻の中でじっとしていてほしいといわれても、多分、1日ももたないのではないかと思うのです。
私の利用者さんの中には、左半身が麻痺した女性ですが、障害が無い時でさえ泳ぐことができなかったのに、麻痺してから
泳ぎを習い、なんと国体で優勝してしまった方がいました。
自分で何かに挑戦する。それはどんなことでもいいんですが、困難にぶち当たれば当たるほど、人間は生きがいを感じる
ようです。他人に頼りきりの生活でははりがないと、先の老人ホームに入った女性は言っています。
自分でできることを見つけ、そのお手伝いをさせていただく。生きがいをもって、その生きがいのお手伝いをさせていただく。
そのような方たちのそばに寄り添う、訪問看護ステーションのあでありたいですね。