終活という言葉が、テレビにおいても、雑誌においてもよく取り上げられ、その概念が
多くの人々に浸透してきているように思います。
ただ、多くの高齢者の方々が「看取りで子供たちに迷惑をかけたくない」と言うのをよく
耳にします。そのため、終活を考える際、子供たちに迷惑をかけまいとして、何でも自分
で抱え込み、逆に終活を放棄したり、終活ウツになったりすることもあるようです。
終活という作業は、本人だけが抱え込むようなものではなく、子供たちとか家族による支えが
どうしても必要になってきます。それは親の終活と、その親を看取る子供たちの互いの理解が
どうしても必要になってくるからです。
終活において、自分で解決できる問題と解決できない問題とがあり、例えば、介護にかかるお金
とか遺産の問題、お墓の問題などは、リスクマネジメントが可能で、それぞれ専門家に相談でき
ますが、解決できない問題、それは死に対する恐怖だとか、孤独感といったストレスマネジメント
の問題などは、なかなか自分では解決できない問題でもあります。
そこに、親が穏やかに最後を迎えることができるように、ストレスを和らげて支えになってあげら
れるのは、家族にしかできないことです。看取る家族にとって、親との心の会話を通じて、本心を
聞いてあげることで、ストレスマネジメントを緩和できます。
終活と看取りを切り離すのではなく、親子の絆と改めて確認し、再認識することで、悔いのない
終活と看取りをすることが可能になってくると思います。
まず、できることとできないことを話し合い、自分ができることだけを伝え、支えになってあげる。
そして、心はいつも寄り添ってあげるのが、一番のベストのような気がします。
そのうち、そのうちと思っている間に、すぐその時がやってきます。
誰にでも必ず訪れる親子の別れを悔いのないものとするべく、親と子の絆を深め、理解し合える終活
として取り組んでいきたいものです。