訪問看護も、依然よりは大分、認知度が高まっていると思います。
でも、まだまだ、訪問看護ということを知らない方が多いように感じます。
そんな中で、あるテレビのお話に、目が釘付けとなりました。
そのお話は、訪問獣医師さんで、、獣医師さんも、訪問看護のように自宅に往診を専門とする方が
いることに、時代を感じると共に、訪問看護をやっている身としては、とても共感を覚えました。
そもそも32才の若き獣医師さんが、それまで勤務医だったのに、なぜ往診専門の獣医を
立ち上げたのか。
それは、オーナーさんともっと話がしたかったから。そして、何に困っているか知りたかったから、と。
これは、われわれ訪問看護と、とても相通じるものがあるなあと思いました。
表面的な病気との関わり合いだけでなく、その利用者さんのことがもっと知りたくなる。
どうして欲しいのか、利用者さんの願いをかなえてあげたい、という思いですね。
お母さんを介護していた娘さんが、そのお母さんが亡くなった後、お母さんが生前飼っていた愛犬を、
今は介護している話から始まりました。
その愛犬、名前はミルキー。その娘さんのお母さんが入院してからずっと可愛がっていた犬です。
最後はそのミルキーは、娘さんのお母さんを看取って、今度は看取られる側になっていました。
娘さんは、お母さんに、愛犬ミルキーを最後まで面倒看るからと約束したそうです。
ですから、お母さんにとっては、ミルキーは、孫のようなものであり、一方、娘さんにとっては、
子供のような存在になっていたようです。
16歳になったミルキーは、今年にはいってから動けなくなり、寝たきりの生活になりました。
それをずっとそばで介護していた娘さんには、訪問してくれる獣医師さんは、ありがたく、心の支えに
なっていたようです。
何度も命の危険に遭遇しながら、獣医師さんと共に、愛犬ミルキーを支えます。
その命と向き合う姿は、人も動物も一緒で、崇高なものですね。とても感動しました。
その取材を受けた二週間後に、ミルキーは亡くなってしまうのですが、娘さんは、一生懸命介護したから
後悔はないと、すがすがしいお顔をされていました。
この若き獣医師さんは、動物の命を救うだけでなく、飼い主さんの心をも救ってきたのだと感じ、胸が熱く
なりました。
われわれも、ご家族に悔いを残さないような看護のお手伝いと、、心のこもった看取りの必要性を
あらためて感じさせていただきました。
命と向き合う中で、我々も日々、学びです。
頑張れ、訪問獣医師さん。これからも、動物の命とオーナーさんの心を救っていってあげてくださいね。