平成の三四郎、古賀稔彦さんが、亡くなられたというニュースを聞き、思わず嘘だろうと、
衝撃を受けました。
まだまだ53歳で若いのに、ガンで闘病中とは知りませんでした。
何が何でも得意技の一本背負いで投げるんだという、まさに魂の一本背負いで、日本の一本を
狙う美しい柔道のお手本みたいな方で、ずっとファンでした。
バルセロナオリンピックでは、大怪我をおして、試合のできる状態ではなかったにも拘わらず、
気迫で金メダルととった姿は、魂が震えるほと感動しました。
次のオリンピックアトランタでも惜しくも金メダルは逃したものの、銀メダルを取りました。
後でその時の心境を語ったインタビーの話を聞いて、「後数十秒で金メダルと頭によぎったまさに
その瞬間に隙が出て、相手の技を食らってしまいました」という、まさに勝つと思えば負けるという、
有名な美空ひばりの歌、「柔」という歌詞そのものを体験したことを聞いて、勝負の世界の厳しさ
を感心して聞いてました。
引退された後は、後進の指導に当たり、特にアテネの五輪女子の谷本選手が金メダルを取った後、
古賀コーチに抱きついて喜んだシーンは、あまりにもその師弟愛の素晴らしさに感動しましたね。
ご自分でも、谷本選手の金メダルは、自分がとった金メダルよりもうれしかったと語っており、
また、多くの美しい柔道を体現する日本の柔道家を育ててくれる指導者としての活躍を期待してお
りました。
フランスでも、古賀選手の訃報を報じており、「古賀はレジェンドだ。例外的な柔道家。日本のあら
ゆる賢明さを持ち合わせた怪物だ。もし移動できたなら、彼の名誉をたたえるために日本にちょっくし
ていただろう」としのぶコメントをしていました。
その中では、強くなるための3つの条件として、古賀さんがあげていたこと。
1、柔道の基礎を大いにトレーニングして、入念に美しさを表現し、勝つことよりもむしろ練習でそれ
を求めること。
2、一本にしか興味を持たないこと。技術的完全のこの要求が自分を強くできる。
3、他人に対する感謝の心を持ち続けること
古賀さんの柔道を通して伝えた日本の心が、フランスにもきちんと伝わっていたんだなと思い、改めて
その偉大さを思いました。
東京オリンピックの聖火ランナーが昨日、福島からスタートしました。
東京オリンピックが無事開催され、日本の和の心がオリンピックの競技を通して世界に伝わり、そして人類が、
コロナに打ち勝った姿を、オリンピックを通して本当にみたいと思いました。
古賀さん、お疲れさまでした。天国で日本の柔道が活躍するのを応援してくださいね。